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自然言語生成AIの主要サービス比較

自然言語生成AIの主要サービスの比較

今回は、自然言語生成AIのサービスを比較してみたいと思います。自然言語生成とは、人間が書くようなテキストをコンピュータが自動的に生成する技術のことです。例えば、キーワードやトピックからブログ記事やエッセイを生成したり、質問に答えたり、会話をしたりすることができます。自然言語生成は、人間の知識や創造力を拡張することができる画期的な技術ですが、同時に品質や安全性にも注意が必要です。そこで、各サービスの特徴や違いについて紹介します。

LLMとはなにか

まず、LLMとは何かについて説明します。LLMは、Large Language Modelの略で、大規模なテキストデータから学習した深層学習モデルのことです。LLMは、様々なドメインやジャンルのテキストを生成することができます。また、LLMはユーザーの入力に応じて柔軟に出力を変えることができます。例えば、入力にキーワードやトピックを指定したり、出力のフォーマットや長さやトーンを指定したりすることができます。さらに、LLMはマルチリンガルであり、英語や日本語だけでなく、多くの言語に対応しています。LLMはオープンソースであり、誰でも無料で利用することができます。

LLMとChatGPTなどのサービスの関係性は、LLMが知識源として提供され、ChatGPTが応答生成器として機能するというものです。

サービスの比較表:

機能 / モデル ChatGPT Azure OpenAI Service Bing Chat/Copilot
開発元 OpenAI Microsoft (OpenAIの技術を利用) Microsoft (OpenAIの技術を利用)
主な用途 テキスト生成、会話、情報提供、教育的応答 企業向けのカスタマイズ可能なAIソリューション 検索、対話型アシスタント、コード生成
アクセス方法 Webインターフェース、API API、Azureプラットフォーム経由 Bingの検索インターフェース、Microsoft製品統合
カスタマイズ可能性 限定的(特定のトレーニングデータやプロンプトに依存) 高度(企業が独自のデータでトレーニング可能) 限定的(主にBingとMicrosoft製品に統合された機能)
リアルタイム性 リアルタイムの対話応答 リアルタイム処理可能(応用による) リアルタイムの検索結果と対話
多言語対応 多言語対応(英語が最も優れている) 多言語対応(利用可能な言語はサービスによって異なる) 多言語対応(主にBing検索の対応言語)
コンテンツ生成能力 高い(長文の作成、創造的なテキスト生成) 中〜高(カスタマイズによる) 中(検索結果に基づく要約や説明に重点)
データプライバシーとセキュリティ OpenAIのポリシーに準拠 Microsoft Azureのセキュリティ基準に準拠 Microsoftのプライバシーポリシーとセキュリティ基準に準拠
モデル GPT-3.5、GPT-4など カスタマイズされたGPT-3、GPT-3.5など Bingのプラットフォームに統合されたGPTモデル
無料利用可能性 限定的な無料プランが存在する 無料トライアルや有料プランが存在 Bing検索として基本的に無料で利用可能

ChatGPT

ChatGPTはOpenAIが開発した、最新のGPT-4モデルを利用したチャットボットサービスです。GPT-4は、GPT-3よりも進化したLLMで、パラメータ数もそれを上回ります。このモデルは、さまざまなタスクに対応することができ、特に会話能力に優れています。ChatGPTはユーザーと自然な会話を行うことが可能で、情報提供やコンテンツ生成なども行います。多言語に対応しており、英語以外の言語でも利用できます。ChatGPTは無料で利用できるプランが存在し、また有料プランも提供されています。

Azure OpenAI Service

Azure OpenAI Serviceは、Microsoft Azureが提供するGPT-3.5やカスタマイズされたGPTモデルを利用した自然言語生成サービスです。このサービスはGPT-3の機能を広範囲に利用でき、テキスト生成、分析、要約、翻訳などが可能です。Azure OpenAI Serviceは、独自のデータセットやモデルを用いたGPTのカスタマイズに対応しています。多言語に対応しており、英語以外の言語でも利用可能です。このサービスは有料で、Microsoft Azureへの登録が必要です。

Bing Chat / Copilot

Bing Chat と Copilotは、Microsoft Bingが提供する自然言語生成サービスです。このサービスはGPT-3.5やその他の進化したLLMを利用しており、特にプログラミングコード生成に特化しています。ユーザーが提供するコードやコメントに応じて適切なコードを補完したり、提案したりします。多言語に対応し、自然言語処理も可能です。Bing Chat/Copilotは基本的に無料で利用でき、BingやMicrosoftのプラットフォームへのアクセスが必要です。

まとめ

以上が、LLMと他の主要な自然言語生成サービスの比較です。これらのサービスは、オープンソースマルチリンガルで柔軟な自然言語生成のプラットフォームです。ChatGPTは会話能力に優れ、Azure OpenAI ServiceはGPTの全機能を利用できるサービスです。Bing Chat/Copilotはプログラミングコード生成に特化しています。それぞれのサービスは独自の長所と短所を持ち、自然言語生成の技術は日々進化しています。今後もこの分野の進展に注目していくことが重要です。

Written with Copilot and ChatGPT-4

copilotがiOSアプリとして登場

iOSアプリとしてのcopilotは、2023年12月30日にApp Storeで公開されました。これまでAndroidアプリとして提供されていたcopilotと同じく、最新のOpenAIモデルであるGPT-4とDALL・E 3を搭載しています。GPT-4は、自然言語処理の分野で最も強力なモデルと言われており、あらゆるテキストを生成することができます。DALL・E 3は、テキストから画像を生成することができるモデルで、ロゴやイラストなどのビジュアルを作成することができます。これらのモデルを使って、AIチャットを楽しむことができます。

CopilotのUI

iOSアプリとしてのcopilotは、以下のような機能を提供しています。

  • メールのドラフトや、ストーリーの作成、長文テキストの要約、多言語コンテンツの翻訳・校正、旅行プランの作成、職業証明書の作成など、様々なテキスト生成タスクをサポートします。
  • テキストプロンプトからビジュアルを作成できるImage Creatorを搭載しています。ロゴやイメージ、イラストなどの画像をテキストから生成できます。
  • あなたの質問に答えたり、あなたの興味や好みに合わせて会話をしたりします。あなたの知りたいことや話したいことを自由に入力してください。
  • あなたの声にも対応しています。音声入力や音声出力の設定を変更することができます。音声での会話も楽しめます。

iOSアプリとしてのcopilotは、無料でダウンロードできます。App Storeで「Microsoft Copilot」と検索してください。

関連記事:
www.watch.impress.co.jp

www.itmedia.co.jp

Written with Copilot

Wasmer: あらゆる環境でのWebAssemblyを実行する

Wasmerとは

Wasmerは、WebAssembly モジュールと Wasmer パッケージをどこでも実行できるようにするランタイムです。
WebAssemblyは、ブラウザで高速に動作するバイナリ形式のコードですが、wasmerを使えば、ブラウザ以外の環境でもWebAssemblyを実行できます。

wasmer.io

Wasmerは導入の簡単さだけではなく、アプリをパッケージ化して配布するエコシステムを備えています。レジストリに公開されているパッケージは誰でもダウンロードして実行することができます。またアプリケーションをサーバーレスに実行するEdgeというプラットフォームも用意されています。

レジストリ:
Wasmer - Registry

Edge:
Wasmer - Edge

インストール

さっそくインストールと実行を試してみましょう。
詳しくは公式ドキュメントを参照してください。
docs.wasmer.io

インストールは以下のようにスクリプトを実行します。(macOS, Linux向けの手順です。)

$ curl https://get.wasmer.io -sSfL | sh
Welcome to the Wasmer bash installer!

               ww
               wwwww
        ww     wwwwww  w
        wwwww      wwwwwwwww
ww      wwwwww  w     wwwwwww
wwwww      wwwwwwwwww   wwwww
wwwwww  w      wwwwwww  wwwww
wwwwwwwwwwwwww   wwwww  wwwww
wwwwwwwwwwwwwww  wwwww  wwwww
wwwwwwwwwwwwwww  wwwww  wwwww
wwwwwwwwwwwwwww  wwwww  wwwww
wwwwwwwwwwwwwww  wwwww   wwww
wwwwwwwwwwwwwww  wwwww
   wwwwwwwwwwww   wwww
       wwwwwwww
           wwww

$ source /home/rsakao/.wasmer/wasmer.sh

Windowsでは以下を実行します。

iwr https://win.wasmer.io -useb | iex

Hello World

インストールが完了したらhello worldを実行します。ここではcowsayというパッケージを使います。

$ wasmer run cowsay "Hello world"
 _____________
< Hello world >
 -------------
        \   ^__^
         \  (oo)\_______
            (__)\       )\/\
               ||----w |
                ||     ||

cowsayはlinuxのコマンドですが、wasmパッケージとして配布されています。引数としてHello worldという文字列を渡しています。

比較としてのcowsayコマンド:

$ cowsay "Hello world"
 _____________
< Hello world >
 -------------
        \   ^__^
         \  (oo)\_______
            (__)\       )\/\
                ||----w |
                ||     ||

また、pythonを実行してみましょう

$ wasmer run python/python -- -c "print(1+1)"
2

pythonが実行され、-c "print(1+1)"の結果として2が出力されます。

このように、簡単に導入・実行が可能です。

Wasmtime:高速でセキュアなWebAssemblyランタイム

Wasmtime

WasmtimeはWebAssemblyのための高速でセキュアなランタイムです。ここではwasmtimeによるwasmの実行を試してみましょう。

wasmtime.dev

インストールと準備

wasmtimeのインストール:

$ curl https://wasmtime.dev/install.sh -sSf | bash
  Installing latest version of Wasmtime (v16.0.0)
    Checking for existing Wasmtime installation
    Fetching archive for Linux, version v16.0.0
https://github.com/bytecodealliance/wasmtime/releases/download/v16.0.0/wasmtime-v16.0.0-x86_64-linux.tar.xz
######################################################################## 100.0%
    Creating directory layout
  Extracting Wasmtime binaries
wasmtime-v16.0.0-x86_64-linux/
wasmtime-v16.0.0-x86_64-linux/LICENSE
wasmtime-v16.0.0-x86_64-linux/wasmtime
wasmtime-v16.0.0-x86_64-linux/README.md
wasmtime-v16.0.0-x86_64-linux/wasmtime-min
     Editing user profile (/home/rsakao/.bashrc)
    Finished installation. Open a new terminal to start using Wasmtime!
# インストールしたrustを使用するために、ターミナルを新たに開くか、以下のようにシェルを再実行します
$ exec $SHELL

これでインストールは完了です。

ここではrustのソースコードをwasmtimeで動作させるため、rustをインストールします。以下はWSL(Windows Subsystem for Linux)でのインストール方法です。他の環境ではinstall rustを参照してください。

curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://sh.rustup.rs | sh

実行例

まずrustのサンプルコードを書きます。hello.rsというファイルを作成し、以下を記載します。

fn main() {
    println!("Hello, world!");
}

hello.rsファイルが配置されたパスで以下を実行します。

$ rustup target add wasm32-wasi
$ rustc hello.rs --target wasm32-wasi
$ ls
hello.rs  hello.wasm
$ wasmtime hello.wasm
Hello, world!

rustによって記述されたソースコードからwasmバイナリを作成し、それをwasmtimeによって実行することができました。

以上が、簡単で軽量なwasmランタイムとしてのWasmtimeの実行でした。

WebAssemblyの基礎知識と現在の動向

WebAssemblyとは、ウェブブラウザで高速に実行できるバイナリフォーマットのことです。WebAssemblyはJavaScriptと相互運用でき、ウェブアプリケーションのパフォーマンスやセキュリティを向上させることができます。WebAssemblyはCやC++などの低レベル言語からコンパイルされることが多いですが、最近ではRustやGoなどの高レベル言語からもコンパイルできるようになってきました。この記事では、WebAssemblyの基礎知識と、2023年末時点での現在の動向について紹介します。

WebAssemblyの基礎知識

WebAssemblyは、2015年に発表された新しい技術です。WebAssemblyは、ウェブブラウザで実行されるバイナリフォーマットであり、仮想マシン上で動作します。WebAssemblyはJavaScriptと相互運用でき、JavaScriptから呼び出したり、JavaScriptのオブジェクトや関数を利用したりすることができます。WebAssemblyは、JavaScriptよりも高速に実行できることが特徴です。これは、WebAssemblyがバイナリフォーマットであるため、パースやコンパイルの時間が短く済むことや、型付き言語からコンパイルされるため、最適化が容易であることなどが理由です。また、WebAssemblyはメモリ管理を自分で行う必要があり、ガベージコレクションのオーバーヘッドを回避できることもパフォーマンスに貢献しています。

WebAssemblyはセキュリティにも優れています。WebAssemblyは仮想マシン上で動作するため、ホスト環境に対する不正なアクセスを防ぐことができます。また、WebAssemblyはメモリセーフティを保証する仕組みを持っており、バッファオーバーフローメモリリークなどの脆弱性を防ぐことができます。さらに、WebAssemblyは同一生成元ポリシー(Same Origin Policy)やコンテンツセキュリティポリシー(Content Security Policy)などのウェブ標準に準拠しており、クロスサイトスクリプティングXSS)やクロスサイトリクエストフォージェリCSRF)などの攻撃を防ぐことができます。

WebAssemblyはウェブ開発において多くの可能性を提供しています。例えば、以下のような用途が考えられます。

  • ゲームや3Dグラフィックスなどの高負荷なアプリケーション
  • 画像処理や音声処理などのメディア処理
  • 暗号化や圧縮などのアルゴリズム
  • 機械学習やデータ分析などのAI
  • デスクトップアプリケーションやネイティブアプリケーションの移植

WebAssemblyは現在、すべての主要なウェブブラウザ(Chrome, Firefox, Safari, Edge)でサポートされており、広く利用されています。また、Node.jsやDenoなどのサーバーサイド環境でも実行できるようになっています。

WebAssemblyの現在の動向と今後の発展

WebAssemblyは、ウェブブラウザで高速に実行できるバイナリフォーマットの仕様です。JavaScriptとは異なり、WebAssemblyはコンパイル済みのコードをブラウザに送信することで、パフォーマンスやセキュリティを向上させることができます。WebAssemblyは2017年に最初のバージョンが公開されて以来、多くの開発者や企業に注目されてきましたが、2023年末時点ではどのような動向があるのでしょうか?そして、今後の発展はどうなるのでしょうか?

まず、2023年末時点では、WebAssemblyはウェブブラウザだけでなく、サーバーサイドやデスクトップアプリケーション、モバイルアプリケーションなど、さまざまな環境で利用されるようになっています。例えば、サーバーサイドでは、WebAssemblyを実行するためのランタイムやフレームワークが多数開発されており、高速で安全なマイクロサービスやエッジコンピューティングを実現しています。デスクトップアプリケーションやモバイルアプリケーションでは、WebAssemblyをネイティブコードに変換するツールやライブラリが提供されており、クロスプラットフォームな開発を容易にしています。

次に、2023年末時点では、WebAssemblyはJavaScriptとの相互運用性を高めるための機能や仕様が充実しています。例えば、WebAssemblyインターフェースタイプ(WIT)は、WebAssemblyとJavaScriptの間で複雑なデータ構造やオブジェクトを効率的に受け渡すことができる仕様です。また、WebAssemblyモジュールリンク(WML)は、WebAssemblyモジュール同士を動的に結合することができる仕様です。これらの仕様により、WebAssemblyとJavaScriptはより緊密に連携することができます。

最後に、2023年末時点では、WebAssemblyはさらなる拡張性や柔軟性を追求するための機能や仕様が開発されています。例えば、WebAssemblyシムディ(SIMD)は、一度に複数のデータを処理することができる命令セットです。これにより、画像処理や機械学習などの計算量の多いアプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。また、WebAssemblyスレッド(Threads)は、マルチスレッドや共有メモリをサポートする仕様です。これにより、並列処理や非同期処理を効率的に行うことができます。

以上のように、2023年末時点では、WebAssemblyはウェブブラウザだけでなく、さまざまな環境で利用されるようになっており、JavaScriptとの相互運用性や拡張性も高まっています。今後の発展としては、WebAssemblyはさらに多くの言語やツールとの互換性を確保し、より多様なアプリケーションやドメインに適用されることが期待されます。また、WebAssemblyはウェブの標準として定着し、ウェブ開発のパラダイムを変革することができるでしょう。

Written with Copilot

Devbox: 簡単かつ迅速な開発環境設定ツール

今日は仮想マシンやコンテナとは異なる開発環境の構築方法として、Devboxというツールを紹介します。私は長いことコンテナに慣れ親しんでいますが、Devboxにはコンテナとまた違った環境作成の利便性を感じています。

Devboxとは何か?

DevboxはJetpack.ioによって開発された、開発環境を簡単かつ迅速に設定できるツールです。

www.jetpack.io

これは特に、複数のプロジェクトや言語に対応する必要がある開発者にとって便利です。DevboxのCLIJSON形式を使用してプロジェクトの設定を簡単に行えます。また、Devboxは40万以上のパッケージバージョンにアクセスでき、Python、NodeJS、Ruby、Goなど多言語に対応しています。LinuxmacOS、WSL2 for Windowsにおいても同じパッケージバージョンをインストールすることが可能であり、PostgreSQL、Nginx、Caddy、PHPなどのパッケージを自動的に設定するプラグインも利用できます。このような柔軟性と包括性により、Devboxは多様な開発環境の要求に応える強力なツールとして機能します。

Devboxの特徴とユースケース

Devboxの特徴は以下のようになっています

  • 一貫性のあるシェル環境: devbox.jsonファイルを宣言することで、プロジェクトに必要なツールのリストを指定し、チーム全員が同じバージョンのツールを備えたシェル環境を取得できます。
  • 新しいツールの試用に適している: Devboxで作成された開発環境は他のものから隔離されているため、新しいツールを試す際にラップトップを汚すことなく、使用後は簡単に削除できます。
  • パフォーマンスの犠牲がない: Devboxは追加の仮想化レイヤーを使わずに隔離された環境を作成するため、ファイルシステムや各コマンドの速度が低下することはありません。
  • バージョンの競合解消: 複数のプロジェクトで異なるバージョンの同じバイナリが必要な場合、各プロジェクトに対して隔離された環境を作成し、それぞれのプロジェクトで好きなバージョンを使用

以下のようなユースケースでの利用ができます

  • 複数プロジェクトの管理: 異なるプロジェクトで異なるバージョンのツールやライブラリを使用する場合、Devboxを使って各プロジェクトの環境を分離し、衝突を避けることができます。
  • CI/CDの統合: Devboxは、CI/CDパイプライン内でのスクリプト実行やタスク自動化をサポートします。
  • クラウドやコンテナとの統合: Devboxのプロジェクトはクラウドでの使用にも対応しており、DockerイメージやDevcontainerとしてエクスポートすることも可能です。

Devboxの使い方

Devboxを使用するにはブラウザでアクセス可能なプレイグラウンド環境と、自身の開発環境にインストールする方法があります。試してみるだけであればプレイグラウンド環境を使用してみることをお勧めします。

ブラウザでクイックスタート

Devboxを試すことができるプレイグラウンド環境が用意されています。 www.jetpack.io

インストール

Devbox自体のインストールは次のように行います:

curl -fsSL https://get.jetpack.io/devbox | bash

Devboxの使用方法は簡単です。新しい空のフォルダでターミナルを開き、devbox initコマンドでDevboxを初期化します。これにより現在のディレクトリにdevbox.jsonファイルが作成されます。その後、必要なコマンドラインツールを追加し(例:devbox add python310)、devbox shellコマンドでこれらのツールがインストールされた新しいシェルを開始します。

使い方の例

使用時の基本的なコマンドは以下になります。

  • 環境の初期化: devbox initコマンドを使用して、新しいプロジェクトのためのdevbox.jsonファイルを作成します。
  • パッケージの追加: devbox addコマンドを使って、必要なパッケージを追加します。
  • Devboxシェルの使用: devbox shellコマンドで、設定した環境内で作業を開始します。

例えばpythonの環境を作るには以下のようにします。

$ mkdir dev-python
$ cd dev-python
$ devbox init
$ devbox add python
$ devbox shell
$ python --version
Python 3.12.1
$ exit # devboxシェルを終了する

まとめ

Devboxは分離環境を簡単に作ることができる新しいツールです。また、コンテナと比較して基礎知識がほとんどいらず、キャッチアップなしに素早くほしい環境を構築できるといった利点があります。
エンジニアにとって、状況によって選択可能なツールをより多く知っていることは、たくさんの種類の道具をもっていることと同義です。そういったツールの一つとしてDevboxを扱ってみてはいかがでしょうか。

Written with ChatGPT-4

containerd: 柔軟性とパフォーマンスを備えたコンテナ・ライフサイクルの管理

containerd

containerdの仕組みについて簡単に説明します。containerdは、コンテナランタイムの機能を提供するデーモンです。コンテナランタイムとは、コンテナの作成、起動、停止などの操作を行うソフトウェアのことです。containerdは、DockerやKubernetesなどの上位レイヤーのアプリケーションから、コンテナのライフサイクルを管理するAPIを提供します。また、containerdは、OCI(Open Container Initiative)の仕様に準拠したランタイムであるruncを使って、実際にコンテナを実行します。containerdは、以下のような主要なコンポーネントから構成されています。

  • containerd-shim: コンテナのプロセスを管理するプロセスです。containerdがコンテナを起動するときに、runcを呼び出してコンテナを実行し、その後にcontainerd-shimを起動します。containerd-shimは、コンテナのプロセスIDや標準入出力などの情報を保持し、containerdと通信します。containerd-shimは、containerdが停止してもコンテナが生き続けるようにする役割も果たします。
  • snapshotter: コンテナのファイルシステムを管理するコンポーネントです。snapshotterは、イメージやレイヤーを取得して、コンテナにマウントするためのスナップショットを作成します。スナップショットは、読み取り専用や読み書き可能などの種類があります。snapshotterは、overlayfsやbtrfsなどのストレージドライバーを使って、スナップショットを実装します。
  • content store: コンテナのイメージやレイヤーなどのコンテンツを保存するストアです。content storeは、コンテンツのダイジェスト(ハッシュ値)をキーとして、バイナリデータやメタデータを管理します。content storeは、ローカルファイルシステムや分散ストレージなどのバックエンドを使って、コンテンツを保存します。
  • metadata store: コンテナやスナップショットなどのメタデータを保存するストアです。metadata storeは、BoltDB(bbolt)というキーバリューストアを使って、メタデータを管理します。メタデータには、コンテナのIDや名前、状態、設定などが含まれます。
  • garbage collector: 不要になったコンテナやスナップショットなどのリソースを回収するコンポーネントです。garbage collectorは、定期的にメタデータとコンテンツの参照カウントをチェックして、参照されていないリソースを削除します。

以上が、containerdの仕組みについての簡単な説明です。
containerdは、コンテナランタイムとして高いパフォーマンスと安定性を提供するだけでなく、柔軟で拡張可能なアーキテクチャも持っています。containerdは、今後もコンテナ技術の発展に貢献していくでしょう。

runcについて

containerdが使用するruncの仕組みについて解説します。runcとは、Linuxのコンテナランタイムの一種で、DockerやKubernetesなどのコンテナオーケストレーションツールと連携して、コンテナの作成や実行を行うプログラムです。runcは、Open Container Initiative (OCI) という標準規格に準拠した最初の実装であり、他のコンテナランタイムと互換性があります。

runcの仕組みを理解するためには、まずコンテナとは何かを知る必要があります。コンテナとは、アプリケーションとその依存関係を一つのパッケージにまとめて、独立した環境で実行できるようにしたものです。コンテナは、仮想マシンと比べて軽量で高速に起動し、ホストOSのカーネルを共有することでリソースの効率的な利用ができます。コンテナは、Linuxカーネルの機能である名前空間 (namespaces) と制御グループ (cgroups) を利用して、プロセスやファイルシステム、ネットワークなどを隔離し、リソースの制限や監視を行います。

runcは、コンテナのライフサイクルを管理するために、OCIが定めた二つの設定ファイルを必要とします。一つは、コンテナイメージに含まれるconfig.jsonで、コンテナ内で実行するプロセスや環境変数、マウントポイントなどを定義します。もう一つは、ホストOS上で作成されるruntime.jsonで、名前空間や制御グループなどのカーネルレベルの設定を定義します。runcは、これらの設定ファイルに従って、コンテナを作成し、起動し、停止し、削除します。

runcの主なコマンドは以下の通りです。

  • runc create: コンテナを作成します。config.jsonとruntime.jsonを読み込み、名前空間や制御グループなどのリソースを割り当てます。コンテナ内のプロセスはまだ実行されません。
  • runc start: コンテナ内のプロセスを実行します。createコマンドで作成されたコンテナに対して実行します。
  • runc run: コンテナを作成し、プロセスを実行します。createとstartを一度に行う便利なコマンドです。
  • runc exec: 既存のコンテナ内で新しいプロセスを実行します。例えば、シェルやデバッグツールなどを起動することができます。
  • runc kill: コンテナ内のプロセスにシグナルを送ります。例えば、SIGTERMやSIGKILLなどを送ってプロセスを終了させることができます。
  • runc delete: コンテナを削除します。コンテナ内のプロセスが終了した後に実行します。名前空間や制御グループなどのリソースを解放します。

以上がruncの仕組みについての簡単な説明です。runcは、コンテナランタイムの基礎となる重要なプログラムです。runcを使って、コンテナの作成や実行を自由に制御することができます。runcの詳細な使い方やオプションについては、公式ドキュメントやソースコードを参照してください。

Written with Copilot