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containerd: 柔軟性とパフォーマンスを備えたコンテナ・ライフサイクルの管理

containerd

containerdの仕組みについて簡単に説明します。containerdは、コンテナランタイムの機能を提供するデーモンです。コンテナランタイムとは、コンテナの作成、起動、停止などの操作を行うソフトウェアのことです。containerdは、DockerやKubernetesなどの上位レイヤーのアプリケーションから、コンテナのライフサイクルを管理するAPIを提供します。また、containerdは、OCI(Open Container Initiative)の仕様に準拠したランタイムであるruncを使って、実際にコンテナを実行します。containerdは、以下のような主要なコンポーネントから構成されています。

  • containerd-shim: コンテナのプロセスを管理するプロセスです。containerdがコンテナを起動するときに、runcを呼び出してコンテナを実行し、その後にcontainerd-shimを起動します。containerd-shimは、コンテナのプロセスIDや標準入出力などの情報を保持し、containerdと通信します。containerd-shimは、containerdが停止してもコンテナが生き続けるようにする役割も果たします。
  • snapshotter: コンテナのファイルシステムを管理するコンポーネントです。snapshotterは、イメージやレイヤーを取得して、コンテナにマウントするためのスナップショットを作成します。スナップショットは、読み取り専用や読み書き可能などの種類があります。snapshotterは、overlayfsやbtrfsなどのストレージドライバーを使って、スナップショットを実装します。
  • content store: コンテナのイメージやレイヤーなどのコンテンツを保存するストアです。content storeは、コンテンツのダイジェスト(ハッシュ値)をキーとして、バイナリデータやメタデータを管理します。content storeは、ローカルファイルシステムや分散ストレージなどのバックエンドを使って、コンテンツを保存します。
  • metadata store: コンテナやスナップショットなどのメタデータを保存するストアです。metadata storeは、BoltDB(bbolt)というキーバリューストアを使って、メタデータを管理します。メタデータには、コンテナのIDや名前、状態、設定などが含まれます。
  • garbage collector: 不要になったコンテナやスナップショットなどのリソースを回収するコンポーネントです。garbage collectorは、定期的にメタデータとコンテンツの参照カウントをチェックして、参照されていないリソースを削除します。

以上が、containerdの仕組みについての簡単な説明です。
containerdは、コンテナランタイムとして高いパフォーマンスと安定性を提供するだけでなく、柔軟で拡張可能なアーキテクチャも持っています。containerdは、今後もコンテナ技術の発展に貢献していくでしょう。

runcについて

containerdが使用するruncの仕組みについて解説します。runcとは、Linuxのコンテナランタイムの一種で、DockerやKubernetesなどのコンテナオーケストレーションツールと連携して、コンテナの作成や実行を行うプログラムです。runcは、Open Container Initiative (OCI) という標準規格に準拠した最初の実装であり、他のコンテナランタイムと互換性があります。

runcの仕組みを理解するためには、まずコンテナとは何かを知る必要があります。コンテナとは、アプリケーションとその依存関係を一つのパッケージにまとめて、独立した環境で実行できるようにしたものです。コンテナは、仮想マシンと比べて軽量で高速に起動し、ホストOSのカーネルを共有することでリソースの効率的な利用ができます。コンテナは、Linuxカーネルの機能である名前空間 (namespaces) と制御グループ (cgroups) を利用して、プロセスやファイルシステム、ネットワークなどを隔離し、リソースの制限や監視を行います。

runcは、コンテナのライフサイクルを管理するために、OCIが定めた二つの設定ファイルを必要とします。一つは、コンテナイメージに含まれるconfig.jsonで、コンテナ内で実行するプロセスや環境変数、マウントポイントなどを定義します。もう一つは、ホストOS上で作成されるruntime.jsonで、名前空間や制御グループなどのカーネルレベルの設定を定義します。runcは、これらの設定ファイルに従って、コンテナを作成し、起動し、停止し、削除します。

runcの主なコマンドは以下の通りです。

  • runc create: コンテナを作成します。config.jsonとruntime.jsonを読み込み、名前空間や制御グループなどのリソースを割り当てます。コンテナ内のプロセスはまだ実行されません。
  • runc start: コンテナ内のプロセスを実行します。createコマンドで作成されたコンテナに対して実行します。
  • runc run: コンテナを作成し、プロセスを実行します。createとstartを一度に行う便利なコマンドです。
  • runc exec: 既存のコンテナ内で新しいプロセスを実行します。例えば、シェルやデバッグツールなどを起動することができます。
  • runc kill: コンテナ内のプロセスにシグナルを送ります。例えば、SIGTERMやSIGKILLなどを送ってプロセスを終了させることができます。
  • runc delete: コンテナを削除します。コンテナ内のプロセスが終了した後に実行します。名前空間や制御グループなどのリソースを解放します。

以上がruncの仕組みについての簡単な説明です。runcは、コンテナランタイムの基礎となる重要なプログラムです。runcを使って、コンテナの作成や実行を自由に制御することができます。runcの詳細な使い方やオプションについては、公式ドキュメントやソースコードを参照してください。

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